初心者にも安心のCDプレス!対面でデザイン作成!しかも無料!

ストリートライブとの線引き

 今日、とあるSSWを見に行って、何となーく感じた事など・・。( 思ックソ自論ですけどね。 )
 ココ最近、ストリートからライブハウスへ重点を置いたアーティストから、「 ストリートで集めたお客さんがライブハウスに来てくれない・・。 」「 ストリートで演っても、音源売れないです・・。 」って話を聞く。        今日、見に行ったアーティストもストリート出身なんだが、” ストリートとライブハウスの線引き ”が出来ていないようだ。        ストリートでもライブハウスでも一生懸命ライブしてはいるんだろうけど、「 ルーツ 」「 人と成り」「 生き様 」なんかが見えて来ない。        唄も上手いし、コーラスも綺麗、ルックスも悪くなく、歌詞も良い・・でも、何かが・・。
 ちょっと話は遡って・・
 僕が高校生の頃の話だが、天王寺周辺で日雇いの「 表札売り 」「 消火器売り 」と言う今なら完全アウトな訪問販売のバイトをしてた頃、契約が取れるまで帰るな!!って事で、何時も22時頃まで、玄関のチャイムを押して回ってた。        今なら、こんな事やってられるかっ!と即辞めするが、当時は何も分からず真面目にやってた。        高校生のガキんちょが、「 表札要りますか? 」って言っても、話を聞いてくれる人も居ず、坊主の状態が何度か続いた後、見るに見かねてか一番安い表札を買ってくれたオバサンが居て、初めて日当をもらえた。( 坊主だと、交通費・食費のみ支給という、これまた現在なら完全アウトな給与体系だった )
 そんなこんなで、初めてもらった日当を握り締め、シャッターの閉まった天王寺の商店街をブラついてると、髪の毛ボサボサ・お酒でベロベロ・汚ぇボロの服で「 いかにも 」なオッサンが、これまた「 いかにも 」な3弦の無いボロボロのギターを持ってストリートライブしてた。         足が一本無いそのオッサンは、ビール箱?に欠けた足を乗っけてスタンディングで唄ってた。        曲もデタラメで、「 大阪で生まれた女 」「 悲しい色やね 」なんかを自分流に替え歌してた。        30分ほどオッサンの小言を聞きながら演奏見てたら、隣りで見てた水商売風の姉ちゃんがボロボロ泣いてた。         何故か分からんが、「 あー、このオッサンは今日唄い終わったら、死ぬんやなー・・。 」と思い、気付いたら僕もボロボロ泣いてた。        高田渡やら美空ひばりやら、当時は知らんかった曲を2時間ほど熱唱してたかな?         ふとギターを止めたオッサンは、僕に向かって「 坊主 ”は ”明日からも頑張りや! 」と言い、僕は何故か号泣し、「 おっちゃん ”も ”明日からも頑張ってや! 」と言って、その日もらった日当( 多分5千円無かったと思う )を全額ギターケースに放り込んだ。
 で、話を現在に戻す。
 ストリートに来てくれるお客さんが「 今日はお金無いからCD買われへんわ。 」「 その日、都合あってライブ行かれへんわ。 」って言われちゃうんですけど、どうしたらいいですかね?・・・・・か・・。        厳しい言い方になるけども、お客さんの心の中で、「 応援はしてあげたいけども、お金を出してまでは・・。 」って気持ちが、ほんのチョピっとでもあるんじゃないのかな?        今日見に行ったアーティストにも、「 あー、ストリートでも同じ事演ってそうだなー。 」って思ったし、もし、そうならばストリートだけで事が足りちゃうからね。           だからと言って、” ストリートは手を抜け! ”と言う訳じゃなく、ストリートでは感じられない・ライブハウスでしか見せれない ” 何か ” ” 価値 ”を持たせないとね。
 逆を言うと、前述したオッサンのようにストリートでしか出来ない偶然の出会い・路上でしか感じられない感動ってのもあるから、上手く ” ストリートとライブハウスの線引き ”が出来るといいね。       もっと言うなら、ストリートだけで物販や投げ銭が動くなら、ライブハウスは半年に一度、集大成で出るだけでもいいかも?
 ライブハウスから始めたバンドマンなんかは、ストリートライブの位置付けがしっかりしてて、線引きが出来てる子達が多いけど、ストリートから始めた子達はその辺りに苦労してるみたいですね。        ん?ライブハウスで演る時には、何か特典を付けるって?・・本質じゃないけど、” まず来てもらう ”って意味ではアリだと思うよ。
 あ、その天王寺の片足のオッサンの後日談だが、「 今日、唄い終わったら、死ぬんだろうなー・・ 」と思った1週間後、同じ場所で同じ曲構成で熱唱してた!        僕を見つけたオッサンは、演奏を止めて「 坊主、こないだはエエ酒飲めたわ!またお金入れっててや! 」って言ってきた。        ” 唄い終わって死ぬんや・・格好ええオッサンやったなー・・ ”と思ってた僕は、酷く騙された気分になったが、また曲聞いてたら涙が出てきて、ギターケースに千円放り込んでた。
 もし、そのオッサンが「 今度、ライブハウスでちゃんと衣装着て、バンドで演奏するから来てぇーや。 」って言われても、行かなかったはずだ。       あの場所・あの路地裏・あの浮浪者や水商売の姉ちゃん・あの空気・あの時代だったからこそ、聞いてたみんなが泣いてた訳で、ライブハウスで見たら、全く感動もしなかっただろう。
 どうやろ?何か思い出話ばっかりになったけど、上手く伝わってるやろうか?        書いた文章読み直したら、グチャグチャになっとるなー・・まぁ、ニュアンス、ニュアンス!悪口やないし、ええ風に解釈してーや。        ストリートにはストリートの良さ・ライブハウスにはライブハウスの良さ、同じ曲を演るとしても違った価値を持たせる事が出来るはすなのだ!       自分達の事を知らない人達へのライブ・自分達の事を知ってくれてお金を払って見に来てくれてる人達へのライブ・・・・・重点をドッチに置くか?ではなく、その両方に ” そこでしか感じられない価値 ”を見出そうねって事です。

コメント

  1. 塩田 より:

    凄くいい記事でした。
    ありがとうございます。

  2. HOOK UP RECORDS より:

    >塩田さん
    いい記事でしたか。
    有難うございます。
    何かの参考になればと思います。

タイトルとURLをコピーしました